カップラーメン

2021年1月13日水曜日

寝れないときによむ小説

夜、腹減ったなーと思いゴソゴソ。


こんなところに野生のカップラーメンがある。いいじゃんいいじゃん。


すぐに捕まえて薄いビニールをひん剥き中身をあらわに。ナイフなんて使わない素手である。手際いい締め方に我ながらほれぼれする。これでいつでも森の中で暮らしていけるだろう。


こんな時間に食べると太るだろう、しかし空腹に加えて寒い。とにかく暖を取りたいのである。


…ん?春雨スープ食え?すまない、聞こえない。どうやら寒さによって耳を失ったようだ。


それにこれは野生のカップラーメンである。養殖物に比べて脂肪分が少ないはず。ということはカロリーは控えめなはずだ。


理由づけの悪魔。いいわけの重ねがけ。後乗せサクサク。


そうなのである。人間すげーわがまま。自分の都合のいい理由ばっかりべたべた塗りたくって正当化しつつ満面の笑みでカップラーメンを食すのである。


そうだね、春雨スープの方がはるかにいい。んなことわかってる。


このカップラーメン5分も待つタイプのやつ。


5分待つ間にいろんなことを考える。…とくに何を考えたのかはわからないけど、取るに足らないことだろう。例えば卵入れたらうまいかなー、とかチーズ入れたらうまいかなー、とかそういう。完全な食の権化。頭の中はラーメンでいっぱい。


そういえば最近のカップラーメンはへんな注意書きが増えた。

やれ「フタの上で温めてお召し上がりの直前に入れてください」だの「お湯を切らずにお召し上がりください」だの、いろいろ注文が多い。


そんな中、極めつけは「フタの上で温めないでください」だ。


んん?目を疑う。


お墓の前で泣かないでください、と同じ構文。


いやもう時すでに遅し、である。お墓の前で泣いちゃうし、ふたの上で温めちゃってる。


温めちゃうと固まっちゃう的な話だろうと思うけど、なんかもうカップラーメン作るのも大変な世の中。

そういえば昔、お湯じゃなくて水入れて電子レンジしてね、ていうカップラーメンもあったな。これにも見事にひっかかった。


さあ。

そうこうしているうちにカップラーメンが出来上がったようだ。3分。まあいい。少し硬い方が好きなのだ。また理由の後乗せサクサク。しかしそんなことをグダグダ考えている理性ももうそろそろ消し飛ぶ。


箸を手に嬉々としてカップラーメンに向かう獣が一匹、今まさに光り輝くカップラーメンに向かってとびかかっている。


静かな冬の夜。

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