供養祭

2021年4月2日金曜日

寝れないときによむ小説

水族館の供養祭というのをテレビのニュースで見る。

なんでも飼育中に死んじゃった動物に思いを馳せ供養するのだとか。

ふんふん、そういうのいいよな、毎日忙しくて、普段はその忙しさにかまけて忘れちゃってるけれど、1年に1回くらいはそういうやつらが昔いて、一緒に過ごしてたんだって思い出すってのは大事だよな。


……



いやでもさ。

これがペットとかならすごい話はシンプルじゃん。昔飼ってた犬や猫を思い出しながら「そういやそんなこともあったよなー」と話し咲かせればいい。


でもさ、これ水族館なんだよな。


いや、だってさクジラって魚食べるじゃん。魚って魚食べるじゃん。


どこまで供養すんのこれ。え、一日で終わる?


―― ユウちゃん(クジラ、メス10才)が死んでもう3年、手を振ったらわかるのかこっちに向かってきてくれて、今でも大切な存在だよ。ありがとう。


―― そんなユウちゃんに食べられたシゲちゃん(イワシ、オス2才)が死んでもう4年、いつもイワシの群れの先頭でブイブイ言わせてたよね、シゲちゃんが率いてたイワシの群れはホントきれいだったよ。ありがとう。


……



いや、これ毎年やるとか時間的にも精神的にも病んじゃう。



―― そんな2人の死を悼んでいたノムさん(人間男性46才)がうつ病で仕事を辞めて、それから失踪してもう3年、いっつも楽しそうにクジラにエサやりしてくれてたよね。時々飛び出すクソ寒いおやじギャグもノムさんだから面白かったよ。やだ、こんなの思い返してたら…、またノムさんのギャグが聞きたくなっちゃった。またいつかどこかで。ありがとう。

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