竜の頭

2021年2月8日月曜日

寝れないときによむ小説

ずーっと持ってたのにいざ使おうとすると役立たなくなってるものってある。

4,5年、置時計を後生大事に机に置いていた。電池は入っていない。


2時6分。

別になんかの記念時間とか、歴史的事件の起こった時刻というわけでもなく、たぶんぼくが仕事に行っている間が寝てる間に人知れず止まった置時計。

そんな置時計がずっと机に置かれてあった。


急に家の整理をすることって人間だれしもあると思う。ぼくの場合、それはある種の天啓かと思うくらい突然片づけ始める。

地震の前に犬が吠える、とかと似たような、何かを察知しているのかもしれない。野生の。そういう。感じの。


そしてその片付けでオリンピック1回分くらいの過去の遺物を見つけ出し、よし、せっかくなんだから使ってやろうと。

電池は運がいい事にぴったりのものがあった。

入れてみる。


おお、動き出す。別に年代物だからってぎーこぎーこなるとかいうこともなくスムーズ。なんなら新品くらいスムーズ。

んで時刻を2時6分から変えてやろうと、竜頭をさがすと、


……



あれ?竜頭がない。

そんなことあるのか。何度も時計の背面を見るも、やっぱり竜頭だけぽっこり抜け落ちててなにもない空間が広がっている。

いやいうて竜の頭よ?え、なんでこれ今まで家に置いてたん。竜の頭だけメルカリで買わなきゃじゃん。


それか2時6分に電池を入れるか。今日は夜更かしすることになる。

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