深夜の商店街

2021年11月16日火曜日

寝れないときによむ小説

最近ちょうどいい気候である。

出かけても完全に汗かかないくらいが一番いい。


そして世間を騒がし続けているコロナも今は鳴りを潜めている。


んじゃ行くしかない。俗っぽく言うと「乗るしかない!このビックウェーブに!」である。


…いや、まあそこまでテンションは高くない。ぶっちゃけめちゃめちゃ小文字で「さ、いくか」くらいのもんである。


ん…?行くってどこにって?そんなもん決まってる。古来より決まってる。恐竜に聞いても阿吽の呼吸で理解してくるというのにキミと来たら。やれやれ。

野生を離れてはや10数世紀。今ではめっきりその活動も大脳新皮質に制御されてしまっている、キミの中の大脳辺縁系をもっと揺さぶる必要がありそうだ。いうなれば野生を司る、そうギラッギラの部分を!今まさにシェイクするのだ!

そう、頭をぐわんぐわん揺さぶって、いいや、まだだ。まだ足りない。キミの中のぐわんぐわんはそんなものじゃないはずだ。

もっと!メタルのコンサートに行ったときくらい、あの人大丈夫?くらい頭を揺さぶるのだ!

あ、そうそう。ラジオ体操の、あの途中のやつね、あれで。あれでお願いします。


……



はい、なんだろうなこれ。

とりあえずそう、深夜の商店街をめぐるのが好きなんだよな。


…ん?

真剣に考えて損したって?飛び跳ねたりとかして脳をがんばってシェイクしたのにって?

ああ、そうだよな、恐竜の時代に商店街ないもんな。ごめん、て。許してよ。でもさ、でもよ、タイトルで深夜の商店街って書いてるじゃん。おあいこじゃね?もうさ。


さあさあ、気を取り直して。

そう、深夜の商店街、めちゃくちゃ雰囲気いい。ぜひ近くにアーケードの付いた商店街があるならやってみてほしい。


なんていうんだろうガンツ感がすごい。

映画感というか。


ものすごい非日常を感じられる。

だーれもいないのに電気だけついててシャッターはもちろん閉まってる。時々小さく音が流れている店とかもあってさらに退廃的なムードを押し上げちゃってくれる。


例えば。

お店とお店の間、人が一人が通れるくらいの細い深淵。きっと日中だったら何も思わない。けどこの時間、周りに誰もいない。明るいのは商店街だけ。

たった一つの隙間だけでもなにやらワクワクするのである。


子どもたちが書いたであろうピカチュウの絵、商店街特有の著作権とかすべてかなぐり捨てたようなドラゴンボールのイラスト、それらも夜見ればどこか寂しげで退廃的に感じる。

まるで人から忘れされたような。かつていた人の痕跡だけがここに残ってしまったような。


とたん、ゴミ収集車がものすごい速さで商店街を抜けていく。

ああそういや普通に人がいたんだな。と我に返る。そして商店街をあの速度で走る車を見ることもまた珍しく感じる。


新しい事しかない。

それが深夜の商店街。


ぼくはいつも素面の状態で行くけれど、例えば人もいないことだしコンビニで缶ビールを買っていってみてもいいかもしれない。これだけ人がいないんだからコロナ禍でも許してもらえるだろう。


そういうわけで、ぼくは最近、金曜日の夜が待ち遠しいのである。とっても。

ああそうそう。Twitterも始めたんでよろしく。フォロワー(戦闘力)の少なさはピカイチだろうと思う。クリボーよりクリボーらしい、スライムよりスライム。逆に誇らしい…くねーか。

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