例えばこれがタニシだとして

2022年3月13日日曜日

寝れないときによむ小説

例えばこれがタニシだとして…


そういって彼はおもむろに川に手を突っ込み一つの巻貝を天に突き出しながらなんかよくわからない解説を始めた。


例えばこれがタニシだとして、諸君らはタニシを食してみたいと思うかね?


……



しばらくの沈黙の後、一人の女生徒が勇気を振り絞って回答する。


「い、いえ、私は食べたいとは思いません」


一瞬、なんとも意外、という目をしたそのひげずらの男は、急遽表情を柔和なものに切り替えてまたもやよくわからないことを言い出す。


ふむふむ、では食べてみよう


そういってひげずらで緑のテンガロンハットをかぶった男は、手に持ったタニシをなんとそのまま口に放り込み、ゴリゴリっと殻ごと飲み込んでしまった。


その後、ひげずらで緑のテンガロンハットをかぶって左目に眼帯をした男は、次々に川からタニシと思われる巻貝を取り出しては食べ、取り出しては食べ、それはもう川のタニシと思われる巻貝を全滅に追い込む勢いだった。


これがのちに聞く、イエスキリストの逸話の一つである。

ああそうそう。Twitterも始めたんでよろしく。フォロワー(戦闘力)の少なさはピカイチだろうと思う。クリボーよりクリボーらしい、スライムよりスライム。逆に誇らしい…くねーか。

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